民法 物権 2章 占有権 186条~187条

TY24

2020年04月16日 11:42

186条(占有の態様等に関する推定)
占有者は、所有の意思をもって、善意で、平穏に、かつ、公然と占有をするものと推定する。

② 前後の両時点において占有をした証拠があるときは、占有は、その間継続したものと推定する。

趣旨
占有者は自分の意思で、善意(自分の物と信じて)平穏に公然と占有しないと占有者と推定されない。「推定」なので、反証があれば覆る。占有による時効取得を主張する場合、賃貸借契約書が出てくると、自分の物ではないことを知っていたということになり、それは悪意であるため、占有者の権利を主張できない。

2項趣旨
Aが、「2010年1月1日」に占有していることが確認できる証拠がある。そして、更に「2020年1月1日」に占有していることが確認できる証拠が出てきた。この場合、2010年1月1日から2020年1月1日まで占有が継続していたと推定される。何度も言うが、推定規定は反証があれば覆る。


187条(占有の承継)
占有者の承継人は、その選択に従い、自己の占有のみを主張し、又は自己の占有に前の占有者の占有を併せて主張することができる。

② 前の占有者の占有を併せて主張する場合には、その瑕疵をも承継する。

趣旨
占有者はその物の前の占有者の占有期間を継承して主張することができ、また、自分だけの占有期間を主張することもできる。前の占有者が複数いる場合は、どこまで合計するか決めることができる。占有者はそのいずれかを自分で選べる。

2項趣旨
前の占有者の期間を継承する場合は、瑕疵(善意、悪意、過失、無過失)も一緒に継承する。



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