民法 債権 1章 総則 402条~407条

402条(金銭債権)
債権の目的物が金銭であるときは、債務者は、その選択に従い、各種の通貨で弁済をすることができる。ただし、特定の種類の通貨の給付を債権の目的としたときは、この限りでない。

②債権の目的物である特定の種類の通貨が弁済期に強制通用の効力を失っているときは、債務者は、他の通貨で弁済をしなければならない。

③前2項の規定は、外国の通貨の給付を債権の目的とした場合について準用する。

趣旨
債権が金銭である場合、支払は紙幣でも硬貨でもよいが、「1万円紙幣で支払う」と特定されている場合は、その規定に従う。ちなみに紙幣に上限はないが、硬貨の場合は「「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律7条」により、20枚までとされている。

2項趣旨
例えば、1000円紙幣で支払う特約がある契約の弁済期到来時に1000円紙幣が廃止されていた場合、その1000円紙幣には「強制通用力」がないため、別の紙幣又は硬貨で支払いをしなければならない。

3項趣旨
前項の規定は、外国通貨(ドルやユーロ等)で支払う場合に準用される。


403条
外国の通貨で債権額を指定したときは、債務者は、履行地における為替相場により、日本の通貨で弁済をすることができる。

趣旨
債務を外国の通貨で支払う契約をした場合、その地点及び時点での為替相場の換算により、日本円で支払いをすることもできる。


404条(法定利率)
利息を生ずべき債権について別段の意思表示がないときは、その利率は、その利息が生じた初の時点における法定利率による。

② 法定利率は、年3%とする。

③ 前項の規定にかかわらず、法定利率は、法務省令で定めるところにより、3年を1期とし、1期ごとに、次項の規定により変動するものとする。

④各期における法定利率は、この項の規定により法定利率に変動があった期のうち直近のもの(以下この項において「直近変動期」という。)における基準割合と当期における基準割合との差に相当する割合(その割合に1%未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)を直近変動期における法定利率に加算し、又は減算した割合とする。

⑤前項に規定する「基準割合」とは、法務省令で定めるところにより、各期の初日の属する年の6年前の年の1月から前々年の12月までの各月における短期貸付けの平均利率(当該各月において銀行が新たに行った貸付け(貸付期間が1年未満のものに限る。)に係る利率の平均をいう。)の合計を60で除して計算した割合(その割合に0.1%未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)として法務大臣が告示するものをいう。

趣旨
利息が付く債権の利息に付いて債権者から特に利息の指定がない場合は、法務省が定める法定利率が適用されるが、それは契約時の法定利率ではなく、利息が発生した時点での法定利率が適用されるということ。

2項趣旨
現法定利率は年3%である。

3項趣旨
法定利率は法務省の発する省令で3年に1度見直される。

4項趣旨
簡潔にいうと、直近変動期の基準割合と当期の基準割合を比較し、当期が低ければその時の法定利率から引き、逆に当期が高ければその時の法定利率に足す。(差が1%未満、又は1%未満の端数が出れば切り捨てられる)

5項趣旨
基準割合は、銀行が1年未満の融資(短期融資)に付けた毎月の利率の直近5年分を平均したものとなる。つまり、銀行の短期融資の利率に応じて法定利率も変動するということになる。


405条(利息の元本への組入れ)
利息の支払が1年分以上延滞した場合において、債権者が催告をしても、債務者がその利息を支払わないときは、債権者は、これを元本に組み入れることができる。

趣旨
債務者が利息を1年以上支払わず、催告をしてもなお支払いがない場合は、債権者はその利息を元本に入れてしまい、その滞納分の利息からも利息を発生させることができる。(複利)


406条(選択債権における選択権の帰属)
債権の目的が数個の給付の中から選択によって定まるときは、その選択権は、債務者に属する。

趣旨
例えば、AがBに100万円を貸した場合、100万円を現金で返すかB所有の車をAに譲渡するか選べる場合(選択債権)、その選択する権利があるのはB(債務者)ということになる。


407条(選択権の行使)
前条の選択権は、相手方に対する意思表示によって行使する。

②前項の意思表示は、相手方の承諾を得なければ、撤回することができない。

趣旨
前条の選択権をB(債務者)が使うときはA(債権者)に対する意思表示をするだけでよい。(承諾は必要ない)

2項趣旨
一度決めたことは債務者の意志だけで変更することはできない。(撤回する場合は債権者の承諾が必要)

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