民法 債権 1章 総則 426条~431条

TY24

2020年05月27日 10:03

第4目 詐害行為取消権の期間の制限

426条
詐害行為取消請求に係る訴えは、債務者が債権者を害することを知って行為をしたことを債権者が知った時から2年を経過したときは、提起することができない。行為の時から10年を経過したときも、同様とする。

趣旨
改正前は行為からの期間制限は20年だったらしい。



第3節 多数当事者の債権及び債務

第1款 総則

427条(分割債権及び分割債務)
数人の債権者又は債務者がある場合において、別段の意思表示がないときは、各債権者又は各債務者は、それぞれ等しい割合で権利を有し、又は義務を負う。

趣旨
例えば、AとBでCから1000万円の土地を買う契約をした場合、特別な規約がなければ当然500万円ずつ支払い義務が発生する。仮にCからAが全額支払ってくれと言われても、Aは500万円を支払えば義務を果たしたことになる。


第2款 不可分債権及び不可分債務

428条(不可分債権)
次款(連帯債権)の規定(第433条及び第435条の規定を除く。)は、債権の目的がその性質上不可分である場合において、数人の債権者があるときについて準用する。

趣旨
次款の条文は、分割できない債権に準用される。分割できない債権とは、例えばAとBが共同で土地を購入した場合、「土地を受け取る」という債権は分けることができないため、このような債権を「不可分債権」という。


429条(不可分債権者の1人との間の更改又は免除)
不可分債権者の一人と債務者との間に更改又は免除があった場合においても、他の不可分債権者は、債務の全部の履行を請求することができる。この場合においては、その一人の不可分債権者がその権利を失わなければ分与されるべき利益を債務者に償還しなければならない。

趣旨
例えば、ABCの3人でDから900万円の建物の売買契約を締結したが、Aが支払い前に購入を辞退した。こうなるとDは建物の3分の2をBとCに引き渡せばよいことになるが、建物は分けることができないため、全部を引き渡すことになる。この場合、Aの分の300万円はDに償還して帳尻を合わせる。


430条(不可分債務)
第4款(連帯債務)の規定(第440条の規定を除く。)は、債務の目的がその性質上不可分である場合において、数人の債務者があるときについて準用する。

趣旨
第4款(連帯債務)の次の条文は、債務の性質上、分割できない債務(不可分債務)に準用される。


431条(可分債務又は可分債務への変更)
不可分債権が可分債権となったときは、各債権者は自己が権利を有する部分についてのみ履行を請求することができ、不可分債務が可分債務となったときは、各債務者はその負担部分についてのみ履行の責任を負う。

趣旨
例えば、ABCが共同でDから建物を買ったが、Dの過失により引渡し前に火事で全焼してしまった場合、ABCの債権は「建物の引渡し」から「損害賠償金」にかわる。すると、分けれなかった債権から分けれる債権に変わったため、自分の分だけ請求できるということ。逆に債務の場合も自分の分だけ責任を負えば足りる。



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