民法 総則 5章 法律行為 117条~118条

117条(無権代理人の責任)
他人の代理人として契約をした者は、自己の代理権を証明したとき、又は本人の追認を得たときを除き、相手方の選択に従い、相手方に対して履行又は損害賠償の責任を負う。

②前項の規定は、次にあげる場合には適用しない。
1、他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が知っていた時。
2、他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が過失によって知らなかったとき。ただし、他人の代理人として契約をした者が自己に代理権がないことを知っていた時は、この限りでない。
3、他人の代理人として契約をした者が行為能力の制限を受けていた時。

趣旨
無権代理の契約が問題となった場合、その代理人は、自分の代理権を証明するか、証明ができなくても本人がその契約を認めてくれれば、履行や損害賠償の責任から免れる。その二つのどちらもクリアできなかったら無権代理ということで、相手方の言うとおりに責任を果たさなければならない。しかし、無権代理と確定しても、相手が無権代理だと知っていた時、又は過失によって知らなかったとき、又はその代理人が制限行為能力者であった場合は責任を免れる。


118条(単独行為の無権代理)
単独行為については、その行為の時において、相手方が、代理人と称する者が、代理権を有しないで行為をすることに同意し、又はその代理権を争わなかったときに限り、第113条から前条までの規定を準用する。代理権を有しない者に対しその同意を得て単独行為をしたときも同様とする。

趣旨
無権代理人が単独行為をする場合、相手がその行為をすることに同意していたり、代理権について争わないときは、民法の無権代理に関する規定を準用するということ。また、無権代理人が単独行為を受ける場合も同じ。

民法 総則 5章 法律行為 117条~118条


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