民法 総則 7章 時効 167条~169条

167条(人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効)
人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効についての前条第1項第2号の規定の適用については、同号中「10年間」とあるのは、「20年間」とする。

趣旨
重要な法益への侵害があった場合には、被害者に、権利行使の機会を確保する必要性が高い。
そこで、客観的起算点からの消滅時効期間を、通常の2倍、20年にすることを定めている。本条は不法行為ではなく、債務不履行により発生した損害賠償請求権について規定している。債務不履行の例としては、労災事故、医療事故など。不法行為による損害賠償請求権の消滅時効は民法724条に規定されている。


168条(定期金債権の消滅時効)
定期金の債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。

1、債権者が定期金の債権から生ずる金銭その他の物の給付を目的とする各債権を行使することができることを知った時から十年間行使しないとき。
2、前号に規定する各債権を行使することができる時から二十年間行使しないとき。

②定期金の債権者は、時効の更新の証拠を得るため、いつでも、その債務者に対して承認書の交付を求めることができる。

趣旨
定期金債権とは、毎月の扶養料や、民間の年金などが想定されている。定期金債権は基本権支分権に区別されている。毎月発生する金銭は支分権と考えられるが、その支分権を受け取らず、放っておくとおおもとである基本権自体が消滅するということ。

2項趣旨
書いてある通りなので割愛


169条(判決で確定した権利の消滅時効)
確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって確定した権利については、10年より短い時効期間の定めがあるものであっても、その時効期間は、10年とする。

②前項の規定は、確定の時に弁済期の到来していない債権については、適用しない。

趣旨
147条の「裁判上の請求等による時効の完成猶予及び更新」による裁判、調停、和解などにより確定した権利(更新された時効)は、主観的起算点、客観的起算点の区別なく、一律に時効期間は10年となる。

2項趣旨
弁済期が来てもいないのに時効が進行するのはおかしいということで規定されている

民法 総則 7章 時効 167条~169条


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